今回の講師は、岡山と金沢に直営店を持ち、全国17施設の婚礼プランニングを手掛けるグレート・プランニング代表取締役社長の羽原俊秀氏。婚礼ビジネスにおける商品開発の発想法や、これからの企業のあり方、プランナーのあり方などを、羽原氏ならではのユニークかつ“変人的”観点から数々の提言やその思考法を語った。
良いパーティーは円滑な
人間関係を作る
今日の講演タイトルは「ウエディングプランナー」から「コミュニケーションプランナー」へ、となっていますが、これは現在、私たちも研究の途上にあります。今日お伝えするのはその一部ですが、最も大切なのは、われわれが普段施行している婚礼パーティーについて、その基本的なマインドの持ち方だと思っています。
「パーティーをしましょう! 人間が最も幸せを感じる瞬間。それはあなたが信じるひとり以上の身近な人と集い、わくわくドキドキする空間で、おいしい食事と楽しい会話をすること」。これは金沢の店舗「ディスティーノ」のオープンにあたって集めた古今東西の名言集の一節です。パーティーの本質を衝いた言葉であり、そういう素晴らしいパーティーの中にウエディングも存在する。そしてまた、パーティーとは良好な人間関係を作る場でもあります。
その一方で殺伐としたいまの日本社会、ニートやひきこもり、自殺、殺人、テロなどとても「乾いてしまっている」現状があります。これらはすべて、コミュニケーションに問題があり、人間関係がうまく行っていないために「乾いてしまった」のではないかと私は考えています。
ですから、われわれパーティービジネスに携わる者がひとつでも良いパーティーを提供することが、良好な人間関係を作り、その積み重ねが住みやすい社会の実現につながるのではないか? そういう意味で、「ウエディングプランナー」から、人と人のコミュニケーションを促進し、円滑な人間関係をコーディネートする「コミュニケーションプランナー」へ進化していくことが、われわれ婚礼業界に求められているのではないかと考えています。この話は本日
後半に詳しく説明します。
「変人的発想」で
独創的な商品を開発
映画監督の伊丹十三さんと生前、交流があったのですが、遺言のような形で「魂のこもったウエディング」を創りなさいとアドバイスされました。それ以来、私たちが大切にしている「魂のある婚礼」とは、お客さまが真に求めるものを形にする、しかも絶対に他社のマネはしないというものです。
ところで世の中には、人間にとって良い商品と悪い商品とがあります。
人間にとって、良い商品とはいつまで経ってもいいものである、といえます。車でも高いスーツでも購入して10年ほど経つと、「なんでこういうものを買ってしまったのか?」という商品がある一方、買った時は対して思い入れもなかったのに10年たってみると「いい買い物だった」と思える商品もある。これを婚礼に置き換えてみると、極端な話、結婚式を行なった会場が10年後に葬儀場になっていたというケースは、間違いなく悪い商品の例です。
お客さまが欲しいものとは、後悔しない商品=本物、あるいは本質を追究した商品だと思います。思想がある、コンセプトや考え方がしっかりしているということ。そうすれば、何年か後に考えても買ってよかったと思うのではないでしょうか。
日本の婚礼スタイルは欧米というよりもアメリカのウエディングの影響が強いのですが、しかし婚礼は実にプライベートなイベントであるため、ただ欧米に行っても、一般の現地カップルのウエディングを見聞することはできない。その意味では、ウエディングは最も輸入しづらい文化だということもいえます。
そこで「ザ マグリット」では、全米のトップクラスのウエディングプランナーたちをブレーンに加え、「本物」を追及することで「魂のある婚礼創り」を実現しました。また音楽に関してもハーレムのトップゴスペルシンガーを招く。お金も労力かかることですが、それをあえて行なう。
なぜ行なうのか? それは発想を変えていけるきっかけになり、差別化につながるからです。
羽原俊秀講師のプロフィール/
ニューヨークで音楽雑誌記者を勤めたのち、1989年岡山石山花壇入社。2000年に「ザ マグリット」に社名変更し、代表取締役に就任。同時にプランニング&コンサル会社「グレート・プランニング」設立。現在は岡山市のほか、金沢市「ディスティーノ」を運営。最新刊は初夏に発売予定の『変人経営』(柴田書店)。潟Oレート・プランニングHP
http://www.greatplanning.jp/
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