【共催】株式会社オータ パブリケイションズ、『ぐるなびウェディング』(ジョイジョイ株式会社)

WBA Wedding Business Academy

ウエディング・ビジネス・アカデミー  「ウエディング・ビジネス・アカデミー(WBA)は、「ブライダル業界のサポーターとして皆様を応援していきたい」という共通の思いのもと、株式会社オータパブリケイションズと、インターネットウエディングのポータルサイト『ぐるなびウエディング』を運営するジョイジョイ株式会社が共催するセミナーです。

「婚活女子と草食系男子が繰り広げる、新ウエディング市場 攻略法」マーケティングライター 有限会社インフィニティ代表取締役 牛窪恵 氏

2009年の流行語大賞にも入選、現代の恋愛市場を象徴する言葉「草食(系)男子」。第19回のウエディングビジネスアカデミー(WBA)のテーマは、「婚活女子と草食系男子」。現在の恋愛・結婚トレンドから、ウエディング市場のマーケティングを試みた。
講師にお迎えしたのは、『20代・ハッピー☆パラサイトの消費の力』『草食系「お嬢マン」が日本を変える』などの著書で知られる、マーケティングライターの牛窪 恵氏。講演では、氏のマーケティング分析が詳細に語られ、ウエディングマーケットに眠る新たな可能性を探る内容となった。

牛窪恵 氏 写真
婚活女子と草食系男子に見る現代のマーケット状況

(有)インフィニティの代表取締役であり、自らマーケティングライターも務める牛窪恵氏

「草食系男子」ブームに沸いた2009年。

このブームの中心を担う「婚活女子」「草食系男子」を総称して、牛窪氏は「お嬢マン世代」と解説した。その特色は、好みや行動、ライフスタイルに男女の性差が乏しい点。象徴的なのは男女ともに好感を示す語彙が少なく、「カワイイ」「ヤバイ」の2語で大部分の好意を表現する。モテよりもリスペクトを重視し、恋愛には低体温。背景には、30代の働く女性の平均年収が296.5万円という厳しい現状もある。

こうした現状解説から始まった、牛窪氏のレクチャー。続けて、ほかの世代でのブームや消費傾向と比較されることにより、「お嬢マン世代」の特異性が際立った。
ホテル・レストランといった「モテ消費」の現場を間近で見続けてきただけに、従来の男女像とは明らかに異なる世代の登場に、改めてため息をついてしまった受講者も多いことだろう。

とはいえ、「つながり」を重視するこの世代は、結婚への意欲はそれなりにある。この「つながり」傾向を理解し、マーケットを把握するところに、婚礼マーケットの可能性もあると氏は指摘した。
「つながり志向」から見る戦略と今後のトレンド

今回のテーマはウエディングに限らず、ホテルなどのマーケティング部門の方が、商品企画やプロモーション計画を立てる上で大いに参考となったようで、参加者の多くが何度もうなずいていた

無駄遣いを嫌い、ポイントカードを平均5枚以上持ち歩く。一見、節約志向が強い「お嬢マン世代」だが、未婚であれば自分の稼ぎはすべて自分の小遣いとして使えるため、実際の可処分所得は50歳代の上司よりも多いというのが現状。情報量が多い現代を象徴するかのように、特にファッションに関しては非常に細かい情報を持ち、洋服代にかなりの金額を使っている、と牛窪氏。

さらに「つながっていたい」という気持ちはほかの世代よりも強いと指摘する。その象徴がケータイメールやブログ、ミクシィなどのSNSなどの流行だ。
また、家族同士の仲がよいこともこの世代の特色で、女性に関しては特に「三世代消費」の傾向が強いという(ちなみに娘は飽きっぽいが、母親は娘に比べてトレンド情報が少ないため、リピーターになりクチコミ情報の強力な発信者にもなり得ると、牛窪氏は指摘する)。

牛窪氏は、この「オトナ家族消費」に今後のウエディング市場の可能性があると語った。
「でき婚」が20代の約4割、30代でも約1割に達することを背景に、「家族DE婚」「マザー婚」現象が多く見られ、人気の演出は「家族全員でケーキ入刀」であるという現状。
不況の時代には特に、この「つながり消費」が伸びる。というのも、個人より複数で消費する方が、単価が下がってお得だからだ。鍋パーティーなどホームパーティー需要が驚異的に高まっているのは、その一端を示すものだろう。また、トヨタはいち早く、クルマの親との共有を打ち出すCM戦略に出ている。

今の時代の、「お金の使われ方」を分析すれば、今後のトレンドもおのずから浮かび上がってくる。セミナーの最後に牛窪氏が、今後のトレンドとして予測したのは「親を巻き込む」ことが、一つのキーワードになるということだ。
「ママと一緒ならキレイもおしゃれも2倍楽しい」「還暦婚を両親にプレゼント」……。もはや年代は不問の時代。子だけでなく、親の夢やワガママといったニーズを掘り起こすことが、今後のマーケットの拡大にもつながることだろうと、牛窪氏は講演を結んだ。

(取材・文 北 千代)
牛窪恵 マーケティングライター 有限会社インフィニティ 代表取締役 

マーケティングライター。(有)インフィニティ 代表取締役。財務省財政制度等審議会専門委員。 1968年東京生まれ。日大芸術学部映画学科(脚本)卒業。 大手出版社にて編集・PR に従事したのち、フリーライターとして独立。以後、雑誌やテレビの企画・取材・執筆や企業PRに取り組む。2001年(有)インフィニティを設立。 04年秋、積水ハウス(株)と2社で「One+deux 研究会 これからの家族を考える会」を発足、同代表。 得意分野は、トレンド、シングル男女マーケット、新・家族マーケット、小売流通、レジャー、ホテルなど。筋金入りの「ホテルフリーク」。関東・関西の主なホテルすべてに泊まり、近畿日本ツーリスト「WiLL LUXURY」のホテルプランをプロデュースする。著書に、『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』『男が知らない「おひとりさま」マーケット』『「エコ恋愛(ラブ)」婚の時代』『オトナの極上ホテル~恋に効く112 のすごい魔法』ほか多数。

【問い合わせ先】
株式会社オータパブリケイションズ
ブライダル部 桑田 kuwata@ohtapub.co.jp
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-19-5 虎ノ門1丁目森ビル5F
Tel:03-5251-9800 Fax:03-5251-9810

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