


昨年創業80周年を迎えた目黒雅叙園。昭和初期からの伝統を守りながらも、和と洋を融合させた独特の空間で人気の会場だ。
高梨さんは、新規接客を担当して4年目のプランナー。成績優秀をたたえられ、社内表彰されるエースプランナーだ。「まだまだ学ぶことが多い新米です」と本人は謙遜するが、振り返ってみると“初心”の大切さと、それを持ち続けることの難しさに気づいたという。
「これを区切りに改めて“初心”に戻って目の前の1組のおふたりが初めてのお客さまという意識で接客に臨むようになりました」
ヒアリングでは、アンケートをもとに質問をしていく。この際に気をつけているのが、当日のイメージをつかんでもらえるよう、そのカップルならではのコンセプトを発見し、まとめ上げて提案すること。「出身地や趣味、出会いなどのお話から、関心を持っていることなどを聞き取ります。それらの要素からから組み取ったイメージを、ウエディングコンセプトにまとめて提案すると、当日のイメージも想像しやすく、またおふたりの印象にも残りやすいからです。また、目黒雅叙園には、和洋どのようにコーディネートしてもフィットする会場、広いブライズルームなど、他社よりも秀でているハードがあり、いわば“夢が叶う会場”です。それらの強みを織り込んでお伝えしています」
また成績の良い先輩プランナーに、どんなことを話すと反応が良いか、何がセールストークとして強くアピールできるのかを聞くことも行っている。これは自分の考えと同じであることを確認するという意味のほかに、自分では考えつかないアプローチ法がないかを知るためでもある。
「プランナーの年齢層の中心は30歳前後ですが、50代から20代まで幅広く、キャリア10年以上の先輩もいます。聞くと、意外な答えが返ってくることも多く、とても勉強になります。結婚式とまるで関係のない雑談から入って、見事に成約に導く先輩や、心に残るフレーズをタイミングよく打ち出せる先輩など、話を聞いていると本当に参考になることばかりです」
社風としても、個人よりもチームの成績を上げることに重きをおく傾向であるため、部内の風通しも良く、ミーティングの場では活発な意見が交わされ、ブレのない営業や情報共有がなされている。

接客ツールは、DVDによる動画など部署共通のものもあるが、各人が工夫して手作りし、現場で活用している。高梨さんはブライダル雑誌に掲載した自社の会場コーディネートの写真を切り抜き、アルバムにして持ち歩いている。
「例えばプランを説明する際でも、言葉だけではなく、プランに含まれるアイテムの写真を見せながら話すことで説得力が増します。そのほかパンフに載っていないスケジュール表や規約など、いちいち自分の席に戻って確認しているとお客さまがせっかく乗る気になっているのに冷めてしまうので、これもコンパクトにまとめて携帯しています。接客時間は、実はお客さまにとっても貴重な時間ですから、内容を濃くすることは顧客メリットにもつながると思います」
成約、再来を求めるあまり、ともすれば引っぱりがちな接客時間だが、顧客本位であれば、次の会場下見などに配慮する気遣いこそが、信頼感につながるのでは? と高梨さんは言う。
「会場の下見が初めてのお客さまならば、下見のコツなどを教えて差し上げるのも、お客さまの立場に立ったサービス。その中に、『ブライズルームがこれだけの広さを持った会場はあまりないです』『館内ロケーションフォトの撮影スポットも多いでしょう?』などと、さりげなく“強み”のアピールを織り込んで、他会場と比較するよう導くと、再来してくださる確率が高くなります(笑)」
また、目黒雅叙園は、全国7か所の婚礼施設を目黒雅叙園グループとして展開。
「私どもでは難しそうでも、ゲストハウスの方向性を持ったお客さまには『アフィーテ目黒』、シーサイドの立地に興味を示すおふたりには竹芝の『ルミアモーレ』という風に、系列会場を紹介し、結果としてグループ内で獲得できるように努めています。他の会場との人材交流も行なっています」
目黒雅叙園グループのシナジー効果は、顕著に現われているようだ。

